4.サブ100nm半導体技術の課題と展望(<小特集>サブ100nm時代のシステムLSIとビジネスモデル)

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システムトータルの超高性能化,超低消費電力化を指向して,90nm→65nm→45nm→32nm→22nmと続く半導体集積回路の超微細化,超高集積化の研究開発が精力的に展開されている.一方,現状の半導体技術,半導体産業は重大な行き詰まり状況に直面している.ゲート絶縁膜の超薄膜化及びデバイスの超微細化の必然的結果として,漏れ電流が激増してこれ以上の微細化が行えない状態に追い込まれていることと,MOSトランジスタのしきい値電圧のばらつきが微細化とともに増大することから電源電圧を予定どおり低下させられず,一層漏れ電流の激増を招いていることが,その原因である.こうした困難は,すべて現状の貧困な半導体製造装置,特に現状のプラズマ装置に起因している.現状のプラズマ装置は,配線工程でのみ使われていて,トランジスタ製造工程には使えない.イオン照射ダメージやチャージアップダメージが大きすぎるからである.配線工程で使用されるプラズマプロセスが,結果としてトランジスタ性能を劣化させ,トランジスタのしきい値をばらつかせ,1/f雑音を増大させている.半導体技術は,今,革命のときを迎えている.すなわち,現状の分子反応ベースの半導体生産方式からラジカル反応ベースの半導体生産方式への転換のときである.信頼性の高いサブ100nm半導体ULSI製造は,新しいラジカル反応ベースの生産方式でなければ実現されない.更に,少品種大量生産村応の現状の半導体生産方式を,21世紀の主流となる情報家電時代に不可欠なディジタル・アナログ・RF混載システムCMOS LSI製造を可能とする超多品種少量可変量生産対応の生産方式に転換することが緊急に求められているからである.
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-02-01

4.サブ100nm半導体技術の課題と展望(<小特集>サブ100nm時代のシステムLSIとビジネスモデル)

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