地域社会における自閉症・知的障害児者の生涯ケアに関する実践的研究(3) : TEACCHプログラムの普及に関する地域評価の試み

概要

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函館と旭川地域を対象にTEACCHプログラムの普及の状況について,本紀要12号〜17号論文および両地域のTEACCHプログラム実践者とその関係者の情報をもとに評価した。その結果,障害幼児療育施設において両地域とも,一定水準の蓄積があり,函館ではさらに経験を深め,複数施設で導入し成果を上げていること,学校教育期では旭川の小学校において導入し3年目の蓄積,函館では芽生え,中学校では両地域とも芽生え初期段階,函館では高等養護学校2校で芽生えが見られる。学校教育後の施設では,函館ではおしまコロニー施設群で非常に顕著な成果を上げているが,旭川では通所施設に芽生えがある。TEACCHセンター機能については,おしまコロニー地域療育センターが本格的な機能を始めており,北海道教育大学函館校もその一端を担いつつある。旭川では,北海道教育大学旭川校で,評価・研修機能を担いつつあり,旭川母子通園センターでも試行が始まっている。キーパーソンの数は,函館が約10-20名,旭川,3-5名と推定した。また,TEACCHプログラムをノースカロライナ流の構造化にとどまらず,自閉症児の療育に効果あるものはすべて取り込む幅広さを持つ必要のあることを述べた。
北海道教育大学の論文
1998-02-10