障害の重い人の暮らしを支える養護学校高等部(併設型)の役割 : Aさんとのかかわりを通して

概要

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北海道では,平成10年度,義務制養護学校に高等部が併設され,障害の重い生徒への教育的取り組みが大きな課題となった。本研究は,「実生活学習」をキーワードとする鷹栖養護学校高等部の教育実践,また高等部に在籍するAさんの実生活を通し,さらに親をはじめ関係者のことばに学びつつ,「巣立ちに向けた教育」と「暮らしを支える教育(予後支援)」の役割について明らかにすることを目的とする。「巣立ちに向けた教育」としては,鷹栖養護学校高等部の「実生活学習」の実践について,その成果を確認するとともに,更に充実させるために,(1)手応えのある教育,(2)実生活学習における家庭との連携の2点について,また「暮らしを支える教育(予後支援)」としては,従来の予後支援に加え,高等部が「地域に働きかける学校」となり,本人活動支援の充実を中心に,地域における暮らしをコーディネートする役割について検討した。さらに,生徒自身の「カラーとペースの保障」を前提とした関係を築くこと,出口(進路)を目指し共に歩む人間としての観点に立つことの必要性を述べた。
北海道教育大学の論文
2000-02-10