北海道における情緒障害学級の現状と課題 : 1995年全道調査をもとに
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概要
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1972年,北海道(札幌市)に初めて情緒障害学級が誕生して以来,今日,道内には学級数307,児童・生徒数930名を数えるに至った。前回の調査(1985年)以降,学級数の急増,指導目標・方法・内容の多様化など,情緒障害教育をめぐる状況には変化がみられる。本調査報告は,現在の情緒障害学級の現状と課題について,アンケート調査を行ったもので,主な結果は次の通りである。(1)1学級1児童・生徒(数)の学級が小・中学校ともに50%を占めている。また,全体の1担当当たりの平均児童・生徒数は,小学校では2.7人,中学校では2.6人であった。(2)小・中学校ともに自閉的傾向をもつ児童・生徒の割合が減る一方,知的障害,学習障害,登校拒否の割合が増えている。(3)指導目標・内容・方法では,基本的生活習慣に関することが最も多いが,各学級の実態より,指導法はバラエティに富んでいる。(4)小学校入学前の在籍機関は普通幼稚園・保育園が51%と最も多く,いくつかの機関を併用している事例もみられた。また,中学校卒業後の進路は高等養護学校など教育機関が60%と最も多かった。
- 北海道教育大学の論文
- 1996-03-15
著者
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