2重ループの第2ループにアクティブフィルタを挿入することにより安定性を改善した3次位相同期ループ

元データ 1999-02-25 社団法人電子情報通信学会

概要

高速移動体との通信環境下ではドップラーシフトの影響により, PLLは周波数がステップ状に変化する入力信号だけでなく, ランプ関数状に変化する入力信号にも追随する必要がある. このような場合, 完全積分形2次PLLでは定常位相誤差を抑圧できないため, 3次PLLが必要とされるが, 2次の完全積分形アクティブフィルタを用いた3次PLLでは, ループゲインが低くなると系が不安定になるため, SN比の低い環境では利用することができない. 完全積分形3次PLLの安定性を改善したものに, 2重ループ構成を用いたディジタル3次PLLがある. しかしながら, PLLを衛星通信環境下等の高周波数帯で用いる場合, ディジタル構成ではダウンコンバートによる固有周波数の低下によって, 高速な位相引込み要求を満たすことができない. したがって, PLLをアナログ構成にする必要があるが, ディジタル構成をアナログ構成に置き換えると電圧制御発振器のゲインの不均衡により同期がとれないという問題点が生ずる. そこで, 本論文では2重ループ構成の第2ループにアクティブフィルタを挿入することにより安定性を改善しアナログ構成が可能である3次PLLを提案する. まず, 提案形3次PLLの線形解析を行い, 閉ループ伝達関数がら定常位相誤差を求める. 次に提案形3次PLLが, ループゲインの大きさに関係なく常に安定であることを安定判別法を用いて示す. 次に, 数値計算より過渡応答特性を求め, 提案形3次PLLが完全積分3次PLLよりも位相の引込み時間を短くできることを示す. また, 提案形3次PLLは定常位相誤差を, 完全積分形3次PLLと同定度まで抑圧できることを示す. 最後に雑音解析を行い, 提案形3次PLLは完全積分形3次PLLよりもジッタ特性が良くなることを示す.

著者

笹瀬 巌 慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻
庄納 崇 インテル株式会社
森 真作 日本工業大学工学部電気電子工学科
森 真作 日本工業大学
佐波 孝彦 千葉工業大学 情報工学科
佐波 孝彦 千葉工業大学情報工学科
佐波 孝彦 千葉工大
佐波 孝彦 千葉工業大学
鎌田 実 慶應義塾大学理工学部電気工学科
庄納 崇 慶應義塾大学理工学部電気工学科
鎌田 実 慶應義塾大学理工学部情報工学科:(現)merrill Lynch Japan Inc.
庄野 崇 慶應義塾大学理工学部電気工学科
森 真作 慶応義塾大学
森 真作 慶應義塾大学 理工学部

関連論文

▼もっと見る