サイトダイバーシチを用いた無指向性直射室内赤外線無線通信システムの光路しゃへいに関する一検討

元データ 2000-12-25

概要

近年, 室内赤外線無線通信が注目されている.室内赤外線無線通信の形態のうち, 無指向性直射方式はネットワークの柔軟性を確保しつつ高速通信システムの実現が容易であるが, 直射方式では障害物による光路しゃへいが問題となる.無線電波通信における人体によるしゃへいの影響を考察した研究が, これまでにいくつか報告されているが, 周波数帯によって搬送波が人体を透過する電波と異なり, 赤外線は人体を透過しないため, 光路しゃへいの影響はより深刻である.従来, 情報系列をタイムスロットに分割し, 天井面の異なる位置にある複数の基地局より1スロット分の同じ情報を順に繰返し送信することで, 光路しゃへいの影響を低減する方式が提案されている.室内赤外線無線通信ではアイセーフティの観点から平均送信信号光強度が制限されるが, 従来方式では同じ情報を繰返し送信するために, 伝送速度が情報速度に対して増大し, 雑音の影響が大きくなるという問題がある.また, 従来, 光路しゃへいの影響はあまり検討されていない.本論文では, 端末に方位分割受信器を用いて異なる位置にある複数の基地局からの信号を分割受信し, 異なる基地局からの信号をブランチとするサイトダイバーシチを用いる方式を提案する.提案方式では, 各基地局は同一情報を同時に送信するため, 伝送速度は情報速度にほぼ等しくなり, 従来の繰返し送信方式と比較して雑音の影響が小さくなる.本論文では, 下り回線に着目し, 回線接続方式として時分割多元接続(TDMA)を想定する.計算機シミュレーションにより, 歩行者が存在する環境下での提案方式における光路しゃへいの影響を検討する.その結果, 従来方式と情報速度が等しい場合, 提案方式は高い信号電力対雑音電力比(SNR)を達成でき, 端末において所要ビット誤り率(BER)を達成できない確率を低減できることを示す.

著者

笹瀬 巌 慶應義塾大学大学院理工学研究科開放環境科学専攻
大槻 知明 東京理科大学 理工学部 電気電子情報工学科
佐藤 章博 慶應義塾大学理工学部電気工学科
大槻 知明 東京理科大学
佐藤 章博 慶應義塾大学理工学部
笹瀬 巌 慶應義塾大学 理工学部 情報工学科

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