サンプル選択型周波数同期方式

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直交周波数分割多重(OFDM : Orthogonal Frequency Division Multiplexing)システムにおいて,周波数オフセットを推定する方式の一つとして,二つの連続した既知時間シンボルの相関を用いる方式が提案されている.この方式における相関操作は,1シンボル内の全サンプルを用いて行われる.しかし,OFDM時間信号はサンプルによって振幅絶対値が大きく変動するために,サンプル毎に雑音に対する耐性が異なり,相関操作に用いるサンプルによって推定精度が異なる.一般に,振幅絶対値の大きいサンプル同士を用いて求めた相関値は,雑音の影響が小さく推定精度が高いと考えられる.そこで本稿では,時間信号の振幅絶対値が大きいサンプルのみを相関操作に利用する周波数オフセット推定方式を提案する.提案方式では,まず,フェージングを受けた後の信号の中で振幅絶対値が大きいサンプルを選択するために,受信した既知時間信号の振幅絶対値を,各OFDMシンボル期間内で比較し,順位付けを行う,次に,送信既知時間シンボルと受信既知時間シンボルにおける各サンプルの振幅絶対値順位情報を基に,複数の既知シンボルにおいて振幅絶対値が大きいと順位付けされたサンプルを用いて相関操作を行い,周波数オフセットを推定する.提案方式は,振幅絶対値の小さなサンプルを用いず,振幅絶対値の大きなサンプルのみを相関操作に用いることにより,雑音が推定精度に与える影響を小さくすることができ,推定精度を改善することが可能となる.計算機シミュレーションによる特性評価の結果,提案方式は従来方式に比べ,周波数オフセットの推定精度を改善できることを示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
2002-11-15

サンプル選択型周波数同期方式

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