小児科領域における研究と治療の進歩 巻頭言
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概要
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お寒くなりましたが、皆様如何がお過ごしでしょうか? 年を重ねるごとに、一年の過ぎるのが速くなり、今年も、早師走を迎えます。「小児は大人を小さくしたものではない」とよく言われるが、これをお読みの皆様が経験して来られた小児期:胎児期、新生児期、乳児期、学童期、思春期には、その時々に応じて、全ての機能系に目覚ましい発育/発達-変化-がある。例を挙げれば、身長、体重は生まれてから1歳までに前者は2倍、後者は3倍に、神経系は脳の重量で考えれば3歳までに約3倍の重さになり、リンパ系は感染症にさらされ易い幼児期から発達し、学童、生徒と呼ばれる次期に最も活性化されている。生まれたばかりには、一見、眠ること、お乳を飲むこと、泣くこと、四肢を不規則に動かすことくらいしかできないように見えた児が、4ヵ月には首が座り、7ヵ月には座位を保持し、さらにその後、つかまり立ち、四つん這いを獲得し、1歳過ぎには独立歩行し、そして、今これをお読みの皆様のように、ご自分の目的を達成するためのしなやかな行動をとれるようになる。なんと驚異的なことだろうか。子供たちは、保護者、保育機関、学校、地域や交通機関の方々との関わりなど、環境に依存しながら日々変化していく。小児の全ての臓器には、脆弱性と無限の可能性が備わっている。小児科学では、まず、健康な小児の可能性をできるだけ活かし大切に育むためにどうすれば良いかが大きな研究課題であり、また子供達に対する病からの影響を最小限にすることが目標とされる。いずれにせよ子供の発育、発達、子供への病の影響は環境に大きく影響される。今回、東京女子医科大学雑誌に、小児科関連各分野の最近の進捗につき各分野の先生方から総説が掲載されることになった。本年、組織としての小児総合医療センターが立ち上がった。小児科、循環器小児科、腎臓小児科、小児外科が中心となり、小児の医療に関わる医療者がより密な連携をもって小児の包括医療に携わることを目指している。
- 2010-12-25
著者
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