6年間の在宅腹膜透析治療を継続している超重症心身障害児の1例

概要

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重症心身障害児では、栄養障害や呼吸器感染症の反復、それに引き続く慢性呼吸不全の顕在化を認めることが少なくない。また、併発した臓器障害に関連した様々な症状が加わり、医療機器の進歩と介護・医療体制が、高度な医療を要する超重症心身障害児の延命と在宅医療を支えている。私たちは、先天性ネフローゼ症候群を基礎疾患に末期腎不全に陥った超重症心身障害児を経験した。残腎機能喪失のため、厳重な体液管理下での腹膜透析(peritoneal dialysis: PD)を要したが、食道裂孔ヘルニアと胃食道逆流症による嘔吐、誤嚥に伴う呼吸器感染症を反復し、体重増加が得られなかった。そのため、PDが継続できなくなるようなリスクのある胃ろうは造設せず、噴門形成術のみを選択した。術後から経腸ポンプを用いた経管栄養を行い、嘔吐および呼吸器感染症の頻度は減少し、自動腹膜環流装置を用いた在宅PDが維持された。重症心身障害児の在宅PDでは、小児腎臓病医、小児神経科医、小児外科医、看護師、養護教諭、医療機器メーカーを含む、多職種のエキスパートによる集学的な介護・医療体制が必要と考えた。一方、患児の介護は母親に依存し、在宅医療支援システムの構築が問題であった。
2013-07-31

6年間の在宅腹膜透析治療を継続している超重症心身障害児の1例

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