小児の下肢痙縮に対するボツリヌストキシンA療法の有効性に関する臨床的検討

概要

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ボツリヌストキシンA療法(BTX-A)は、2009年に小児脳性麻痺児の下肢痙縮に対し適応となり、徐々に普及している。今回、当科でBTX-Aを施行した7症例において効果を検討した。対象は4歳から10歳(平均6.3歳)。原疾患は脳室周囲白質軟化症が4名、脳血管障害が1名、不明が2名であった。症状は片麻痺が3名、両麻痺が4名で1名は左右差を認めた。施注部位は全例腓腹筋と後脛骨筋とした。施注前後で関節可動域(ROM)、Modified Ashworth scale(MAS)、Gross motor function measure(GMFM)、Gross motor function classification scale(GMFCS)を評価した。背屈時MASは4例で改善が認められ、不変例はいずれも5歳以下であった。背屈ROMは全例で改善が認められた。左右差のある群は施注前のROM制限が強い傾向があった。GMFMは6例で改善が認められ、1例で不変であった。GMFMの改善が乏しい例は左右差のある群に多い傾向があった。我々の経験例で有効性が低かったのは片麻痺、ROM制限が大きい例、施注年齢が低い例であった。
2013-01-31