上眼瞼血管腫の増大により片眼視野が完全遮蔽された1例

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乳児血管腫は小児期で最も高頻度の良性腫瘍であり、30%の症例で出生時に認められ、その多くは出生後の数週間以内に出現し生後6〜12カ月までは病変は少しずつ増大し(増殖期)、その後、増大は停止する。増大の程度は病変により様々だがその後数年間で病変は縮小傾向を示す(消退期)。最終的に消退するのは5~12歳頃である。男女比は1:3、未熟児にやや多いとされる。苺状血管腫は自然消退が期待できる為、苺状血管腫と確定診断できた時点では予後良好といえる。ほとんどの血管腫は無治療で経過するが早急な治療を要する場合として生命予後、機能障害に関わる合併症を伴う場合、鼻、眉間、耳、口唇などの部位に存在する場合、巨大顔面血管腫、有茎状の血管腫、潰瘍性病変などがこれに相応する。眼周囲の血管腫の場合は、無治療の場合は弱視、不同視、屈折異常、眼球突出、角膜障害など永久的な眼的後遺症を合併するため早急に、積極的な治療を検討しなければならない。このような場合に血管腫の治療として内科的治療にはステロイド投与、インターフェロンα皮下投与、プロプラノール治療、レーザー治療、切除、塞栓術などがありそれぞれのケースに応じて内科的、外科的な治療を組み合わせるなど、総合的な治療が必要となる。今回我々は、上眼瞼・眼窩内に苺状血管腫を認め、眼瞼によって片眼が完全に遮閉された1例を経験した。ステロイドパルスとステロイド局所注射を中心とした総合的な治療が有効であったので報告する。
2013-01-31

上眼瞼血管腫の増大により片眼視野が完全遮蔽された1例

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