初期と完成期のアカントアメーバ角膜炎の2例

概要

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アカントアメーバ角膜炎の初期例と完成期例の2例を経験したので報告する。,症例1は22歳、男性。1カ月定期交換のソフトコンタクトレンズ装用者だった。左眼,痛と充血を主訴に、発症から3週間後に当院を受診した。初診時、毛様充血、放射状角膜神経炎と偽樹枝状角膜炎を認め、初期のアカントアメーバ角膜炎と診断し、角膜擦過、消毒薬点眼、抗真菌薬の局所・全身投与を施行した。3カ月後、視力(1.2)と視力障害を残さず治癒した。,症例2は13歳、女性。2週間頻回交換ソフトコンタクトレンズ装用者。主訴は眼痛と充血で、当院受診までに2カ所の眼科診療所を受診し、抗菌薬、ステロイド薬の点眼治療を受けた。発症から4カ月後に当院初診。毛様充血、角膜中央から上方にかけて円板状の混濁を認めた。完成期のアカントアメーバ角膜炎と診断し、症例1と同様の加療を行った。4カ月後、炎症は沈静化したが、視力(0.4)と視力障害が残った。,ステロイド点眼の投与の有無が、初診時の病期の違いの要因の1つと思われた。また早期発見、早期治療の重要性があらためて示唆された。
2012-01-31