筋ジストロフィー患者と家族の震災体験について〜家族会での報告および症例を通して〜

概要

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当科では,「筋ジストロフィー患者と家族の会」を設立し,患児および家族サポートを継続的に行ってきた.,震災後の定例会において,患児・家族の震災体験を共有した.,著者らは,筋ジストロフィー患者の特性から,震災が患児および家族に極度の精神的ダメージを与えたのではないかと予想し,筋ジストロフィー患者と家族が震災をどのように体験したか,今後どのような整備・対策を希望するか,アンケート調査を行った.,アンケート調査の結果から,患児および家族双方が精神的ダメージを受けたこと,それによって患児や家族の行動が制限されたケースもあったこと,信頼のおける身近な人の存在によって患児・家族が物理的・精神的に支えられると混乱や不安症状を回避したり抑制したりすることが可能であることが示された.,さらに,今後起きうる首都圏大震災への課題も整理され,特に人工呼吸器利用についての見直しや、かかりつけ医の確保を望む声が多いことが分かった.,一方,筆者が長期にカウンセリング継続中の一症例は,震災後に不眠・揺れに対する予期不安・苛立ちや怒りの爆発・母親不在の環境の回避といったPTSD症状を呈した.,こうした症状は震災後,半年が経過した頃から緩和したが,経過を振り返ると,震災以前の患児の心の脆弱性や家庭環境の不安定さが精神的混乱や不安症状に影響していたことが窺えた.
2013-01-31

筋ジストロフィー患者と家族の震災体験について〜家族会での報告および症例を通して〜

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