医師の勤務に対応する学童保育支援の検討

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医師は仕事を持続しながら生涯研鑽を続ける必要があるが、子を持つ場合、最も研鑽を積むべき時期が、子の乳幼児および学童児期に重なることは避けられない。しかし、育児と仕事の両立は難しく、途中でキャリア継続を断念する女性医師も多い。これまでも育児支援として、保育所と同様に学童保育の充実が望まれてきたが、医師に必要な学童保育内容について十分な検討は行われていない。本研究は、学童児または乳幼児を持ち、学内に学童保育施設があれば、利用を検討した女子医大医師を対象に、医師の勤務状況に対応できる学童保育支援対策を検討した。まず、事前の学内の学童保育希望調査で「学童保育があれば利用したい、利用するかもしれない」と答えた医師131名を対象に、利用する子の年齢を調査し、43名の医師が回答した。その43名に対し、所属、役職、勤務時間や時間外勤務の頻度、学童保育の利用希望頻度や時間、夕食提供や送迎の希望について、アンケート調査を行った。43名中8割以上が助教、医療練士、研修医であり、内科の割合は4割弱だった。子は17名の学童児と38名の乳幼児であった。常勤医師の8割は、同僚と同等の勤務であり、18時以降、9時前の勤務は平均週3回以上、1日の平均勤務時間は10.4時間であった。学童保育は、常勤医師の6割が週3回以上、18時以降の夜間保育を希望し、そのうちの9割の医師が夕食提供を希望した。また、全体の3割は8時前の早朝保育を希望した。以上より、長時間勤務に対応する学童保育システムの必要性が明らかとなった。また、急な勤務変更に対応し、子の心のケア、しつけや勉強習慣に対する配慮も重要と考えられた。本学では、現在これに基づいた学童保育支援を行っている。今後、医師はキャリア継続のために、様々な育児支援の情報を見逃さず、院内保育、病児保育と共に学童保育支援を有効に活用することが重要である。
2009-10-25

医師の勤務に対応する学童保育支援の検討

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