福山型先天性筋ジストロフィーにおける糖代謝

概要

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福山型先天性筋ジストロフィー (FCMD)は、日本では、小児期の筋ジストロフィーの中で2番目に最も多く見られる。FCMDには、長年の診療の中で本症患児の病状を脅かす問題点が多々認められている。我々は、FCMDの患者にケトン性低血糖にしばしば遭遇する。ケトン性低血糖は一般的に幼児期の健常児に認められるが、その機序は、FCMDでは明確にされていない。この研究は、FCMDにおける低血糖の機序を明らかにするために行った。ケトン性低血糖のFCMDについて肝の予備能・筋肉からの糖新生・耐糖能を検討するために、グルカゴン負荷試験、アラニン負荷試験、糖負荷試験を実施した。1例でグリコーゲン分解・糖新生が行われずケトン代謝が亢進し、他の例では肝の予備能・耐糖能は正常であった。また、過去10年間(1987年?1997年)に感染症で当科に入院した筋ジストロフィー患児対して,入院時の年齢・血糖・CK・BMIの関係も後方視的に検討した。加齢とともにCKの減少を見た。BMIがSkinniness群(痩せ)で低血糖を起こしていた。FCMD患者の低血糖症状の出現を避けるためには、食事に十分な注意をする必要がある。
2013-01-31