内科的治療が奏功せず外科的治療を必要とした生後2カ月の乳縻胸の一例

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【はじめに】乳縻胸は乳糜が胸管から胸腔内に逸脱して生じる。小児では稀な疾患であり、新生児期および縦隔手術後に比較的多く報告されているが、単独の報告が多く、治療法も様々である。乳縻胸と診断され、内科的治療が奏功せず、外科的治療を要した症例を経験したため報告する。,【症例】生後2か月の女児。主訴:体重増加不良、既往歴:在胎39週で仮死なく出生。現病歴:1ヶ月検診では体重増加不良を指摘されていた。受診時、多呼吸・努力性呼吸、胸部X線上右肺野の透過性低下を認め当院紹介受診となり、精査目的に入院となった。入院後経過:胸水穿刺で乳縻3+、リンパ球優位の細胞数増多を認めた。外傷の既往なく、先天性心疾患も否定的であった。胸腔ドレナージ、食事療法、オクトレオチド投与、胸腔内ミノサイクリン散布を行ったが胸水は減少せず、ドレーン閉塞や逆行性感染・医原性気胸も併発し外科的治療に踏み切った。胸腔鏡下で乳糜が漏出していると考えられる部位を結紮した。外科的治療後は栄養状態の改善があり、乳糜胸の再燃なく経過し、全身状態良好で退院となった。,【考察】外科的に治療の有効性や成功率の不明な現状では保存的治療期間を明確に設けることは困難である。乳縻胸の管理についてはまだ確立しておらず、今後多施設での症例の蓄積や分析により適切な管理法を明確化する必要がある。
2013-01-31

内科的治療が奏功せず外科的治療を必要とした生後2カ月の乳縻胸の一例

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