国際共同治験の経験とその課題についての報告

概要

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希少疾病の治療法開発の上で多施設共同治験は欠かせない。アメリカを中心に活動する神経筋疾患を対象とした国際共同治験を行うCINRGの活動に参加する機会を得て、現在コエンザイムQ10とリシノプリルが筋疾患患者の心機能に与える影響についての研究に参加している。国際共同治験では施設間での診断の確実性やOutcome measureの誤差をいかに減らすかが大きな課題の一つであるが、CINRGでは医師、研究者だけではなくデータマネージャー、生物統計学者、遺伝カウンセラー、理学療法士もCoordinating centerの中心的存在としてかかわっている。評価の標準化については、CINRGでは各参加施設の評価チームにCINRGでのトレーニングをうけた認定理学療法士が必ず入り評価に携わる。CINRGの認定を継続するためにはアメリカで行われるミーティングに参加して定期的に講習を受けるなど、評価の標準化のために独自の取り組みを行っている。また、器材もCINRGが指定する、もしくは配布する同一の器材の使用を求められた。我が国は薬剤や医療機器等を対象とした介入研究である治験はGCP準拠を求められ、それ以外の臨床研究についてはGCP準拠は必須ではないが倫理指針に従うことが求められる。GCPに準拠した国際共同の治験へ参加するにあたって、ジェネリック医薬品に対する日本とアメリカの考え方の違い、機器の標準化のための器材の輸入や価格差など、様々な困難を伴った。この経験を通して、現状や今後の問題点について報告し考察する。
2013-01-31

国際共同治験の経験とその課題についての報告

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