<論文>母親の育児不安感に関する構成概念のモデル化
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概要
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本調査研究は,母親の育児不安感を児の行動との関連で把握し,その構成概念のモデル化を試みた。調査対象はW県I町の保育所を利用するすべての母親とした。調査内容は,母親の属性(年齢,児の数,職業の有無)と83項目からなる児の行動に対する母親の不安認知とした。結果は,2歳〜6歳児の行動に随伴する母親の育児不安感が,「情緒的コントロールに関する不安」「文字や数字の理解に関する不安」「ルールの理解に関する不安」「行動のコントロールに関する不安」「食生活悪癖に関する不安」の5領域から構成され,その因子構造モデルはそれらを一次因子,「母親の育児不安感」を二次因子とする二次因子モデルとしてデータに適合することを示した。このときの適合度は,GFIは0.946,AGFIは0.931,RMSEAは0.043(PCLOSE=0.970),CNは345(5%水準)であった。この結果は,母親の育児不安感が前記5領域の下位概念を内包する構成概念として尺度化できる可能性を示唆している。
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