母親の育児ストレス・コーピングと精神的健康の関係

概要

本研究は,就学前の児を育児している母親の育児ストレス・コーピングと精神的健康度の関連性を明らかにすることを目的とした。調査対象は和歌山県A町の保育所を利用している870名とした。統計解析には属性(年齢,教育歴,職業,世帯構成),育児ストレス・コーピング,抑うつについて欠損値を持たない778名の回答を用いた。育児ストレス・コーピングと精神的健康に関する因果関係モデルのデータへの適合度は,構造方程式モデリングで検討した。その結果,前記モデルはGFI=0.925,AGFI=0.906とデータに十分適合した。また,育児ストレス・コーピングから精神的健康へのパス係数は,「調整的コーピング」が-0.24,「逃避的コーピング」が0.27であった。このことは調整的コーピングをより活用する者ほど精神的健康は低く,逃避的コーピングをより活用する者ほど精神的健康は高い傾向になることを意味している。なお,精神的健康に対する前記二つの育児ストレス・コーピングの寄与率は,13.1%であった。以上のことから,育児ストレスに随伴する母親のコーピングをマネジメントすることが,母親の精神的健康を維持する上で重要なことが示唆された。

著者

中嶋 和夫 岡山県立大学保健福祉学部
筒井 孝子 国立公衆衛生院
中嶋 和夫 岡山県立大学
中嶋 和夫 岡山県立大学 保健福祉学部保健福祉学科
中嶋 和夫 岡山県立大学・保健福祉学部・保健福祉学科

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