低温NH_3処理によるHfO_2/Si(100)構造への窒素導入と化学結合状態評価(ゲート絶縁膜, 容量膜, 機能膜及びメモリ技術)

概要

論文の詳細を見る
水素終端Si基板上に電子ビーム蒸着(EB)したHfO_2膜(厚さ約3.2nm)を、減圧NH_3雰囲気中熱処理(300〜650℃, 5分間)して、膜中および界面への窒素の拡散・結合状態をX線光電子分光法(XPS)により分析した。更に、N導入後のN_2及びO_2雰囲気中熱処理が、膜中および界面の化学結合状態に及ぼす影響を評価した。その結果、300〜650℃ NH_3熱処理において、HfO_2膜中には3.3〜32.4at.%のN原子が混入し、基板窒化反応が進行することが分った。800℃ N_2熱処理を行った場合、膜中Hf-N結合は減少し、膜中の一部の窒素原子が界面窒化層側へ移動することが分った。更に、その後の500℃ O_2熱処理において、膜中窒素の濃度は約7at.%まで減少し、界面窒化層表面で酸化反応が進行することが分かった。これらの結果は、500℃以下の熱処理においても、反応活性な原子状の酸素や窒素がHfO_2中で生成・拡散することを示唆している。
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-06-03