中学生の自主性尺度得点と学業成績ならびに個人の諸条件との関連

概要

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「中学校自主性尺度(井上,沖,林,2005)」を用い,山口市内のK中学校において各生徒の自主性尺度得点を算出した.併せて自主性尺度得点を外的基準に,各生徒の学業成績ならびに基本的生活習慣の評価や,性別,長子の別,三世代家族の別,生徒会活動・係活動への参加の記録等をアイテムとして数量化I類による分析を行った.その結果,学業成績の中では音楽と美術に関してカテゴリー数量の範囲が大きく,その成績と自主性尺度得点に正の相関があることが判明した.また,生徒会活動や係活動の参加の有無もカテゴリー数量の範囲が大きく,関連があることが判明した.そのほか,長子か否かでは,長子の方が高い自主性を持つ可能性が高く,三世代家族では逆に自主性が低くなる傾向も見られた.ただ,これらの結果については学校の地域性や規模,教科担当教員の対応等によって変化することが予想され,得られた知見を一般化するには更に大規模な調査が必要となろう.しかしながら今回の調査によって,今後予定している自主性育成のための教育調査および教育モデル開発に一定の基礎資料が得られたものと考える.
日本教育情報学会の論文
2007-03-05