マイタケ菌床栽培後の廃培地における加水分解酵素類の活性

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概要

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著者らはほとんど利用されずに廃棄されているマイタケ菌床廃培地の有効利用を目的として,きのこ収穫後の廃培地の加水分解酵素類の活性を検討した。その結果,廃培地ではプロテアーゼ(酸性,中性),β-N-アセチルグルコサミニダーゼ,β-1,3-グルカナーゼ活性が比較的高い値を示したが,セルラーゼ系酵素(CM-セルラーゼ,アビセラーゼ),キシラナーゼおよびアミラーゼ活性は低い値であった。対照として用いた子実体との比較では中性プロテアーゼ活性の高い子実体に比べ,廃培地では酸性プロテアーゼ活性が極めて高かった。廃培地で子実体の活性と同等の強い活性を示した酵素はキチナーゼ,酸性プロテアーゼおよびβ-1,3-グルカナーゼであった。そこでこの3種を複合酵素として細胞壁溶解やバイオマス分解に利用できる可能性について示唆した。また,菌株間で活性に差のあったことから,目的とする酵素活性の高い菌株を選択し,栽培することも一つの方法であると考えられた。
近畿大学の論文
1997-03-15

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