電子ジャー保温飯のビタミンと変異原性の消長 : 器種,精白米及び強化米の相異
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概要
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電子ジャー保温飯のビタミンB_1, B_2と変異原性の消長について,ジャーの器種,各種精白米及びポリライス強化白米などによる相異を検討して次の結果をえた.1.保温飯の変異原性は,TA100についてはDose-response curves はえられず,36時間では多くても疑陽性程度であった.2.1.5l容ジャーと2l容ジャーの比較では,前者が94〜98℃で(夏季), 90℃で(冬季, Fig. 3)で保温し,後者が常に約74℃での低温保温で,これが変異原性に影響を与えたが,B_1の残存率にはむしろジャー内の含水量の影響の方が大きかった.また,B_2は耐熱性のため保温中ほとんど大きな減少はみられなかった.3.7分搗米,半搗米の保温飯はそれなりに多くのB_1を残存しており,精白度の低い方が保温後も多くのB_1を確保していた.4.玄米飯はその吸水率が悪い関係から2度炊飯を行った.2度目の炊飯にはさらに温湯を添加したため,含水率が多くB_1残存率が良好であったが通常のような1回炊飯では高温のためかB_1の破壊が多きかった.5.白麦米はそれなりの添加効果を示し,ポリライス強化白米飯はその目的どおり,多量のB_1を強化し保持しており,12 hrs保温後でも370μg%のB_1を含んでいた.6.電子ジャーの保温限度はその米の食味,ビタミンの損失などから考えて12hrsどまりであり,また,保温温度も低温における腐敗の進行からみて約74℃が望ましい.7.十姉妹による保温飯のみの給餌試験では,生存日数と保温時間とは負の相関があった(α=0.01).8.保温によりB_1を消失し,B_1欠乏によるへい死が観察されたがB_1を添加するとへい死は起らなかった.従って十姉妹をへい死せしめる有害物質は生成しなかった.
- 1983-03-15
著者
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上田 茂登子
近畿大学農学部
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吉川 賢太郎
近畿大学農学部食品栄養学科
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石井 隆一郎
近畿大学農学部食品栄養学科食品衛生学研究室
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石井 隆一郎
近畿大・農・食品栄養
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石井 隆一郎
近畿大学農学部
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吉川 賢太郎
近畿大・農・食品栄養
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吉川 賢太郎
近畿大学農学部食品・栄養学科 食品衛生学研究室
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葉室 仁子
近畿大学農学部
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原田 幸子
近畿大学食品栄養学科食品衛生学研究室
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