カルシウムとペクチン質の結合におよぼす陰イオンの影響
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概要
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Ca塩および水酸化カルシウムのCaとペクチン質の結合力の差異を検討した。その際, ペクチン質の水溶液CaCl<SUB>2</SUB>, (C<SUB>6</SUB>H<SUB>11</SUB>O<SUB>7</SUB>) <SUB>2</SUB>Ca, (C<SUB>3</SUB>H<SUB>5</SUB>O<SUB>2</SUB>) <SUB>2</SUB>Ca, Ca (OH) <SUB>2</SUB>の水溶液を, 別個に混合・透析した後に各ペクチン質のCa含量を比較した。各ペクチン質のCa含量の差異を結合力の差とした。供試したペクチン質は平均分子量が23,000, 当量重量が598, メトキシル含量が10.1%であった。<BR>1) ペクチン質水溶液のpHは, CaCl<SUB>2</SUB>の混合量増加に伴いしだいに低下した。しか, (C<SUB>6</SUB>H<SUB>11</SUB>O<SUB>7</SUB>) <SUB>2</SUB>Ca, (C<SUB>3</SUB>H<SUB>5</SUB>O<SUB>2</SUB>) <SUB>2</SUB>Caを混合した場合は, 混合量の増加に伴い逆に上昇した。Ca (OH) <SUB>2</SUB>を混合した場合は, 混合量がペクチン質の当量の1.5倍以上になると急激に上昇した。<BR>2) 透析後のペクチン質水溶液のpHは, 各化合物の混合量増加に伴い, しだいに上昇した。<BR>3) 透析後のペクチン質のCa含量は, Ca (OH) <SUB>2</SUB>を混合したペクチン質が最も多く, 次が (C<SUB>3</SUB>H<SUB>5</SUB>O<SUB>2</SUB>) Ca, そして (C<SUB>6</SUB>H<SUB>11</SUB>O<SUB>7</SUB>) Caを混合したペクチン質であった。CaCl<SUB>2</SUB>を混合したペクチン質のCaは最も少なかった。<BR>4) Ca (OH) <SUB>2</SUB>はペクチン質の当量以上混合すると, ペクチン質に脱メトキシル化が起こり, Caの結合量が急増する。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
著者
-
金子 憲太郎
郡山女子大学短期大学部
-
太田 匡子
郡山女子大学短期大学部
-
角野 猛
郡山女子大学家政学部
-
金子 憲太郎
日本獣医生命科学大学
-
角野 猛
郡山女子大学
-
前田 安彦
宇都宮大学農学部農芸化学科
-
前田 安彦
宇都宮大学農学部
-
金子 憲太郎
郡山女子大学短期大学部食品学研究室
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