準最適解を用いてヒトの到達運動の計画軌道を推定する方法

概要

論文の詳細を見る
ヒトが運動を実行する際に脳は軌道を計画し,その計画軌道を目標軌道としてフィードフォワード制御とフィードバック制御を組み合わせて軌道を生成していると考えられる.しかし,実際に脳内におけるその二つの制御成分および計画軌道は未知であるので,計測軌道だけから運動制御メカニズムを解明することは難しい,一方,運動計画が分かれば制御メカニズムを解明することにつながる.ヒトの運動の計測軌道から計画軌道を推定する方法が提案されている.この方法では物理パラメータが異なると計算が発散したり,推定した軌道が目標点へ到達しない場合がある.本研究では,計算が発散する問題を解決するために,準最適軌道を用いて安定に最適軌道を求める方法を提案する.さらに,推定軌道の精度を上げるために経由点の条件を加えて計画軌道を推定する方法も提案する.次にヒトの到達運動を計測し,その軌道を用いて数値シミュレーションを行い,提案法の妥当陸を検討する.その結果,計測軌道と予測軌道がほぼ一致することが確認され,計画軌道を精度良く推定できることが示唆された,
2010-03-02