起立動作中の床反力と姿勢の計測に基づく重心位置推定法

概要

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身体の重心位置はヒトの運動の安定性や効率性を評価する上で重要な指標である.その重心位置推定法として,体重や各身体部位の長さから平均的な質量や質量中心を計算し運動学に基づき重心位置を求める方法(平均法)が知られている.平均法では,個人の身体の差異が推定結果に無視できない影響を与える.本研究では,起立動作中の床反力と身体の姿勢を同時に計測し,重心の位置と加速度から体節の質量と質量中心に関するパラメータを推定する手法を提案する.提案法により推定したパラメータと関節角度から重心位置を求めることができる.5名の被験者に対して起立動作の計測実験を行い,提案法によるパラメータ推定法の有効性を検証した.また,6種類の静止姿勢の計測実験を行い,推定した重心位置と圧力中心位置の誤差からその推定精度を検証した.実験の結果,推定された6つのパラメータと計測された姿勢によって,床反力から得られた重心の加速度をほぼ再現できることがわかった.また,圧力中心位置と推定した重心位置との誤差は,平均法よりも小さく,ほとんどの姿勢で15[mm]以下となった.これらの結果は,提案法は平均法よりも高い精度で重心位置を推定できることを示唆する.
社団法人電子情報通信学会の論文
2008-11-14

起立動作中の床反力と姿勢の計測に基づく重心位置推定法

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