ヒトの運動の計測軌道から計画軌道を推定する方法(バイオサイバネティックス, ニューロコンピューティング)
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概要
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ヒトの運動は運動計画に基づくフィードフォワード制御と, 修正を行うフィードバック制御とが組み合わさることで実現されていると考えられる.したがって, 運動制御のメカニズムを解明するためには, 二つの成分を分離, 抽出する必要がある.その方法として, 計測した修正が加わった実現軌道から実行前に計画していた軌道を推定することが考えられる.本研究の目的は, 実際の手先の2点間の到達運動の計測軌道から, 計画軌道を推定する方法を提案することである.計画軌道の推定のために次の二つを仮定する.(1)フィードバックループの遅れ時間のために運動開始直後の計測軌道は計画軌道とみなせる.(2)ヒトの計画軌道は指令トルク変化最小軌道で表現される.これにより, 運動開始直後の計測軌道から計画軌道の全体が求められる.視覚がない状態で到達運動の訓練を十分に行うことで被験者は修正をほとんど行わずに手を目標へ移動できるとして, そのような運動を計測して計画軌道の推定を行った.その結果, 計測軌道と推定軌道とは終端付近を除いてほぼ一致した.このことより, 本研究の方法によって計画軌道を推定できることが示された.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2005-04-01
著者
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