旅の案内図の抽象モデル化
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概要
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古来からどこの旅の案内書にも普遍的に出てくる案内図は、例えば山地の場合で言えば山の頂上、山越えのための峠、美しい湖などが描かれ、そこをどう巡るかを示している。(例えば図1。)このような図は旅して歩いた時の特徴的な場所を取り上げて記述しており、決して一視点からの遠近法による投影図ではない。例えば、あちこち旅した時に到達した地点からの眺めが図のそれぞれの所に描かれるなど多視点になっている。山頂にはピーク(極大点)が少なくとも一つあり、湖はピット(極小点)に水がたまったもので、ピットは少なくとも一つある。ここでは、最も単純な場合として、山頂、湖にピークとピットがそれぞれ一つの場合を例にとる。このような図を数学的に厳密な図に構成する方法は今まで知られていなかった。その原因はこれらの旅行案内図を抽象してモデル化することが行なわれていなかったからである。そこで本研究では旅行案内図の抽象モデル化を行なう。まず多視点で描かれた図を多様体を用いてモデル化する。次に山頂、湖、峠の関係をモース理論で特徴付け、特徴点グラフとして表現する。これは案内図の特徴を、コンピュータ通信する時のモデルに基づくデータ圧縮にも応用できる。また、この研究を応用すれば、今までは人が手で描いていた案内図を地形図から自動生成することも可能となる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-03-01
著者
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