歯の補空間の位相構造による咬合のモデリング
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概要
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咬合は歯と顎の形態と機能を表す概念であり,歯と顎で起こる現象の全てを表す広い概念である.情報科学の観点から見ると,咬合は複雑な形状を持った物体(上下の歯)同士の干渉と見ることが出来る.パス・プラニングの分野においては障害物中の移動パスの計算や衝突点の検出に関する研究はかなり行なわれている.しかし,複雑な曲面を持つ二つの物体同士の接触の仕方の分類などについては研究されていない.そこで,本研究では歯の干渉を例にとり,物体同士の接触を位相的に分類する方法を提案する.歯科医療においても様々な面で計算機が使用されている.咬合に関係する研究も行なわれているが,計算機上で歯と顎の動きを正確に再現することに主眼があり,咬合のモデルは提案されていない.本研究では,2つの物体(この場合歯)の間にある空間(歯の補空間)中の,厚みがある値δ以下の領域(挽領域)に注目する.この挽領域の時間変化によってできる4次元物体の位相構造に注目するわけである.このモデルは,最近提案された,3次元物体の位相構造に基づいたモデルに基づいている.つまり,3次元物体である挽領域を4次元物体の断面図と捉えることで,3次元物体の断面図と同様な考察を加えることが出来るのである.
- 社団法人情報処理学会の論文
- 1994-03-07
著者
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