歯の咬合のモデリングと咬合不良診断への応用
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概要
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歯の噛み合わせ不良によって様々な咬合病が引き起こされる。歯科医学では、歯列のスムーズな滑走を妨げ、顎に負担をかける有害な接触点を削除することによって咬合不良の治療を行なう。本稿では、歯列をコンピューター上にモデル化し、上下歯列の滑走時の接触点を視覚化し、有害な接触点の発見と、その正しい削除法の検討を援助して、咬合不良の治療へ応用する。歯科医学では、咬合不良の診断を「咬合器」に患者顎のモデルを取り付けた間接法によって行なう。咬合器は患者の顎運動を再現する機構を備えており、患者の歯列、顎関節のデータを移して噛み合わせ、滑走のチェックを行なう。この間接法の利点は、患者自身を束縛することなく、歯の噛み合わせを様々な角度から検討することが出来る点であるが、コンピューターの利用によって、この間接法の利点を更に拡張することが出来る。本稿では、歯列のモデルと顎運動をコンピューシー内に構築し、下顎の滑走運動のシミュレーションを行なう。ここでは、接触が歯科医学的に有害かどうかの判断は歯科医師にまかされるが、有害な接触点が発見された後、モデルに対して仮想的に様々な削除法を試みることが出来、更に削除後の滑走運動を行なうことが出来る。この手続きを繰り返すことにより、最良の削除法の発見を支援することが出来る。
- 1991-02-25
著者
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