絵画の奥行き情報に関する考察

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概要

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人間は遠近法で描かれた絵画を見て、描かれている物体の3次元位置を推定できる。本研究では、一視点の場合だけでなく、たとえ絵に複数個の視点がある時でも、絵画の視点位置と物体の奥行き情報を分析する方法を提唱する。扱う絵画は、長方形であろうと人間が推定する形を持つ物体(ここでは長方形投影像ということにする)が描かれているものに制限する。画面上に投影されるとその長方形投影像になる物体が、3次元では長方形であるという知識を使うことで、視点位置を計算することが可能になり、長方形の再構成を行なえる。その際、絵画の視点の範囲を分析し、絵画が一視点で描かれたものかどうかの判定も行なう。我々は特にM.C.Escherの作品に代表される錯視をおこす物体を含む絵の分析を行ない、また伝統的な遠近法を用いない近代絵画についての視点の分析も行なったが、ここではPenroseの三角形として知られる絵の分析を例として示す。
社団法人情報処理学会の論文
1994-03-07

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