Degradable starch microspheres (DSM)-TAE および経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)にて治療した卵巣癌肝円索浸潤肝転移の1例

概要

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症例は55歳，女性．2002年4月，卵巣癌に対し，某院にて初回手術施行．IIIb期，類内膜腺癌，ダグラス窩転移陽性にて術後TC療法（PTX+CBDCA）を6コース施行．11月second look operation施行．腹腔内細胞診陰性．TC療法2コース施行後，CBDCAに対する副作用が出現し，CPT-11+PTXに変更し，加療された．2007年6月腹部CTにて，肝円索の転移性病変指摘．その後経過観察中に同病変の増大を認め，10月当院紹介入院となった．肝円索の播種性病変に対し，DSM-TAE施行後，RFAを施行．11月にDSM-TAE 2回目施行後，2回目のRFAによる追加治療を施行した．術後，炎症所見上昇，肝機能増悪し，CTにて左葉は肝梗塞に陥るものの保存的治療で改善した．術後3カ月後のCTにて肝円索浸潤肝転移播種性病変は完全嚢胞化し，CA125は正常化した．加療後20カ月の現在再発所見は認められていない．卵巣癌肝円索浸潤肝転移に対し，DSM-TAE，RFAにて治療した報告例はない．一方，その問題点を含め，示唆的な症例と考えられ報告する．
2009-10-25