束モデルを用いた頭髪像の生成

概要

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人間の体を表現することは、コンピュータグラフィクスの最大の目標の一つである。人体のなかでも頭髪は頭部の大きな部分を占めており、見る者に与える印象に大きく寄与する。しかしながら頭髪は多くの細い髪の毛からなる複雑な構造体であり、計算機で扱うにはさまざまな困難が生じる。計算機による頭髪の表現における問題は、大きく分けてふたつある。1.頭髪の質感をいかに表現するか2.頭髪の形状を決定する方法、質感の問題、あるいは髪の毛をどのように描くかという問題については、Ipha blendimgを使う方法や、異方性反射をマッピングする方法など、いくつかの研究例が報告されている。しかし、描くべき髪の毛の形状をどのように決定するかという問題についてはあまり関心が払われていないようである。髪の毛の形状を計算によって求める場合でも、髪の毛同士の干渉を考慮に入れた例はない。これは主に髪の毛の本数の多さに由来する計算量の問題である。そこで本研究では、プリミティブの数が少ない髪の毛のモデルを構築し、髪の毛同士の干渉をも考慮に入れて計算によって髪の毛の形状を求めることを試みた。
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-03-01