特異点理論を用いた洋服のしわのモデリング

概要

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計算機を用いて様々な物体の振舞いを記述しようとする試みは古くから行なわれてきたが、計算能力の制約などから取り扱われる物体は硬いものに限られてきた。しかし近年、計算能力の向上に伴っで柔らかに物体のモデリングが盛んになってきている。柔らかい物体と硬い物体との主な違いは、構造的な安定性をもっているかどうかということにあり、例えば柔らかい物体では変形の過程で「しわ」が生じるなどといったことが起こるのが普通である。しわは硬い物体における「ひずみ」などとは本質的に異なる現象で、そのモデル化を行うことは、柔らかさという概念を探求する上で極めて重要な意味を持っている。本研究では、柔らかい物体の一例として洋服を取り上げ、そのしわの形成過程のモデリングを行なう。洋服に用いられている布は、変形の過程で極端に伸び縮みしないという点でゴムのような弾性体とは異なっている一方、しわの形成といった大きなスケールでの変形を示すという点でゼリーのような弾性体とも異なっている。こうした物体のモデル化を試みる前に、まず第2節で柔らかい物体のモデリングとしてこれまでに採られてきた手法を検討し、その問題点を明らかにする。第3節では本究の根幹となる数学的手法について簡単に触れ、第4節でその手法に基づいたしわのモデリングについて述べる。最後に第5節で今後の課題について述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1991-02-25

特異点理論を用いた洋服のしわのモデリング

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