反芻家畜における全粒綿実のエネルギーおよび蛋白質の利用率

概要

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綿実を全粒のまま(WCS)あるいは破砕(CCS)して給与した場合の養分利用率を知る目的で,メン羊3頭による消化・窒素出納試験,エネルギー出納試験および第一胃内性状の検索を行った。基礎飼料としてオーチャードグラス主体2番乾草を用い,その単独給与(H-Basal区)および全乾物給与量の20%を破砕綿実(H-CCS区)と全粒綿実(H-WCS区)で代替給与した3つの給与区を設けた。得られた結果は次の通りである。1)乾草と併給して実施した消化試験の結果からH-CCS区およびH-WCS区における単味の各飼料の消化率を比較すると,破砕綿実(CCS)より全粒綿実(WCS)の方が粗脂肪を除く他の成分では有意に高い値を示した(P<0.05)。摂取Nおよび可消化Nに対する蓄積Nの割合もCCSよりWCSの方が高い値を示した。2)メタン(CH_4)産生量と熱発生量については個体変動が大きく有意な差は見られなかったが,いずれもH-WCS区はH-CCS区より低い傾向を示した。3)第一胃液総VFA濃度については,H-CCS区よりH-WCS区の方がやや高く推移し,VFAモル比はH-WCS区におけるプロピオン酸比率がH-CCS区に比べやや高くなった。また,第一胃液アンモニア態窒素(NH_3-N)濃度はいずれも飼料給与後1時間目に最高値に達したが,相対的にH-CCS区が高く,H-WCS区が低い傾向を示した。4)全粒綿実の乾物あたり養分含量は,DCP:17.5,TDN:90.5(%),DE:3.98,ME:3.67,NE:2.92(kcal/g)となり,いずれも破砕綿実より高い数値が得られた。
帯広畜産大学の論文
1988-11-30

反芻家畜における全粒綿実のエネルギーおよび蛋白質の利用率

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