十勝地方における乳牛の消化器系および代謝疾患の発生状況と飼養実態との関連性

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概要

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乳牛の飼養管理と疾病との関連を検討するために,過去6年間の北海道十勝地方の20地域の第四胃変位症,ケトーシス,乳熱・起立不能症の年間発生率および20地域の年間1頭平均乳量を調査し,これら3疾病の発生率の高い地域と低い地域の農家の飼養実態調査と粗飼料の化学分析を行った。3疾病の発生率の程度は地域によって異なった。いずれの地域においても過去6年間の疾病発生率は乳量増加に伴って増加し,第四胃変位症・ケトーシス発生率と乳量との間にそれぞれ有意な相関が認められた。疾病発生率の低い池田町と高い清水町の給与飼料に質的違いは見られなかった。池田町のグラスサイレージ水分含量が清水町に比べて有意に低いことは,ヘイレージの使用に依るものと考えられた。さらに,池田町は清水町に比べて分娩後のトウモロコシサイレージの給与量が少なく,グラスサイレージの給与量が多い傾向を示した。従って,繊維成分の給与量の不足が乳牛の疾病特に第四胃変位症の発生率の増加に大きく関与すると考えられた。
1999-10-31

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