めん羊反芻胃内微生物によるin vitro低級脂肪酸産生に及ぼす牧草中硝酸塩含量の影響

概要

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反芻胃内微生物による低級脂肪酸産生に及ぼす牧草中硝酸塩含量および添加硝酸塩濃度の影響についてめん羊第一胃液の四重ガーゼろ液を用い,in vitroで検討した.実験1では3段階の窒素施肥によって調製した硝酸態窒素含量の異なる3種類の青刈りオーチャードグラス(乾物中0.56%,0.22%および0.04%)を培養のための基質として供試した.実験2では硝酸態窒素源として硝酸ナトリウムを用い,終濃度で300,100および0μg/mlの硝酸態窒素を培養液に添加した.培養のための基質には低硝酸塩(乾物中0.04%硝酸態窒素)青刈りオーチャードグラスを用いた.実験1および2のいずれの場合も培養初期に高濃度の亜硝酸塩の蓄積が認められ,その程度は牧草中の硝酸態窒素含量あるいは硝酸塩の添加濃度の増加に伴って高い傾向を示した.基質の硝酸態窒素含量が乾物中0.22%以上の場合あるいは100μg/ml以上の硝酸態窒素の添加条件では低級脂肪酸の総産生量が著しい低下(P<0.01)を示した.またそのモル比率については牧草中の硝酸態窒素含量あるいは硝酸塩の添加濃度の増加に伴って酢酸のモル比率が増加し(P<0.01),逆にプロピオン酸および酪酸のモル比率は低下する(P<0.01)傾向を示した.
社団法人日本畜産学会の論文