粗飼料急変時における子牛第一胃内性状の変化について

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1.給与飼料を乾草常給から生草に急変する処理(H-G区)とサイレージに急変する処理(H-S区)の2処理について,2〜4ヵ月齢のホルスタイン種雄子牛4頭を用い,2処理2期間の飼育試験を行い,飼料摂取量,体重および第一胃内の窒素成分,pH及びVFA濃度の変化を調べた。2,飼料の乾物摂取量は全般にH-S区がH-G区よりも高く,両区共,飼料急変後1週目までの変動幅が大きく,2週目には比較的安定する傾向を示した。3.体重は飼料急変後の1週間低下したが,1週間から2週間の間で増加を示した。4.第一胃内の全窒素濃度はH-S区がH-G区よりも高く,急変後3日目頃まで減少し,5日目頃より安定する傾向が見られた。5.水溶性窒素濃度は全窒素濃度と同様な傾向が見られた。6.アンモニア態窒素濃度は給与3時間目でH-G区が急変後急激に減少し,以後増加一定となる傾向が見られ,H-S区よりも低かった。7.pHは両区を通じて急変後間もない時期の変動幅が大きかった。8.VFA濃度は急変直後から全期を通じてH-S区がH-G区より高く推移した。9.VFA各酸のモル比はH-S区において,急変後の酢酸の低下と酪酸の増加が示された。10.第一胃内窒素成分間の相関はH-G区で全窒素とアンモニア態窒素の相関が低く,H-S区で全窒素と水溶性窒素,アンモニア態窒素の相関が高くなった。11.以上の諸点より,乾草から多汁性飼料の急変に基づいて,初期増体量の低下と急変直後の第一胃内窒素成分濃度の経日的変動幅の増大が特徴的に認められたが,生草とサイレージへの急変処理における反応は一様ではなかった。
帯広畜産大学の論文
1979-11-20

粗飼料急変時における子牛第一胃内性状の変化について

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