子牛の尿素利用に関する研究 : I.離乳直後における尿素利用

概要

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第1胃が発達段階にある子牛の発育にともなう尿素利用の推移を検討する目的で,45日齢で早期離乳したホルスタイン種雄子牛6頭を3群に分け,試験スターターを給与し,97日齢まで飼育し,この間,2回(8週齢時と13週齢時)の消化試験および窒素出納試験を実施した。試験スターターは,対照スターター(粗蛋白質15.6%),低蛋白質スターター(粗蛋白質7.7%),尿素添加スターター(粗蛋白質15.7%)の3種類である。その結果は次のとおりである。1)尿素添加群と対照群の増体量は低蛋白質群より大きく,この両群の間に大きな差はなかった。2)尿素添加群の窒素蓄積量は対照群より少なかったが,低蛋白質群より多かった。また,尿素添加群において,8週齢時における窒素蓄積率よりも13週齢時のほうが高かった。3)尿素添加群における摂取尿素窒素の蓄積量は,8週齢時で6.03g,13週齢時で11.43gと推定された。4)粗脂肪をのぞく他の成分の消化率についてみると,対照スターターと尿素添加スターターとの間に大きな差はなかったが,低蛋白質スターターはこの両スターターよりかなり低いという傾向があった。この傾向は粗蛋白質と粗繊維の消化率において,とくに著しかった。
帯広畜産大学の論文
1971-12-15