バレイショ生でんぷん粕の乳牛飼料としての利用

概要

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1.バレイシヨ生でんぷん粕の乳牛飼料としての利用の適正化をはかるため,生でんぷん粕給与の飼養試験とルーメン発酵に対する影響について検討した。2.乳牛を3頭ずつの2群にわけ,乾草,配合飼料,生でんぷん粕を給与した期と,生でんぷん粕を同量のTDNのビートパルプで置換した期について,I期を予備期2週間,本試験期2週間とし,3期にわたり,反転法によって行った。また第II期には両群2頭ずつについて消化試験を行った。3.体重の増減には差はみられなかった。また脂肪,蛋白質,無脂固形分の含有率には差はみられなかったが,乳量,FCM生産量においてビートパルプ給与期の方が多かったので,各乳成分の生産量において有意差がみられた.4.全体の飼料の消化率は粗蛋白質で生でんぷん粕期の方が劣ったが,その他の成分ではわずかながらまさっていた。5.要求養分量に対する摂取養分量については,TDNでは両期ともほぼ同じ摂取割合であったが,DCPではビートパルプ期の方が多く,これが乳量に有意な差を生ぜしめた原因と思われた。6.下痢症,アルコールテスト,乳牛の栄養判定の諸項目のいずれにおいても,飼料の処理による差は認められなかった。7.ルーメン内発酵については,生でんぷん粕15kg給与時は発酵の進行は早く,VFA生産量もやや低く,ビートパルプ給与時よりも飼料の価値としてはいくらか劣るものとみなされたが,第1胃内の恒常性についてはpH,VFAの生産ともに正常値の範囲内で,生でんぷん粕を給与しても悪い影響はないとみなされた。8.生でんぷん粕はエネルギー補給の目的で最高1日20〜25kgまで与えてよい。しかしその給与にあたっては全飼料の蛋白質含量や生粕の水分含量について配慮し,また汚染や変質したものを与えないごとが大切である。
1974-09-25

バレイショ生でんぷん粕の乳牛飼料としての利用

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