バレイショ生でんぷん粕の飼料価値と貯蔵中の品質変化

概要

論文の詳細を見る
1.バレイシヨ生でんぷん粕の飼料価値を明らかにするため,生産後間もないものとビートパルプの比較,屋外で越冬貯蔵し解凍後間もないものや,悪臭を放すようになったもの,およびサイロに貯蔵したものについて緬羊による消化試験を行い,また貯蔵中の成分変化についても若干の検討を行った。2.緬羊は1回4〜6頭を用い,乾草と配合飼料(10:3の割合)を基礎飼料として,維持水準で全糞採集法(7日間)による消化試験を行った。3.生産後間もない生でんぷん粕の平均消化率は有機物92.5%,粗蛋白質37.6%,粗脂肪100.0%,粗繊維93.3%,可溶無窒素物95.6%,エネルギー90.4%で,乾物あたりのTDN90.3%,DCP2.1%,DE3.62kcal/gとなり,これらの値はビートパルプに比べて粗蛋白質の消化率とDCPを除けば高かった。4.サイロに貯蔵したものは飼料価値はよく保たれ,消化率は有機物85.1%,エネルギー82.4%で,TDN82.9%,DE3.56kcal/gであった。5.野外で簡易貯蔵し越冬したものは,サイロに貯蔵したものよりも飼料価値は低下し,また解凍後のものよりも悪臭を放すようになったものの方がさらに低下した。6.生でんぷん粕貯蔵において,日時の経過とともに一般にでんぷん含量の減少,有機酸(とくに乳酸)の増加,サイレージ化が認められたが,気温の上昇にともない酪酸の増加も認められ,品質が悪くなった。7.生でんぷん粕を貯蔵使用するにあたっては排水処理や堆積層を厚くし被覆を完全にすることが大切で,サイロによる貯蔵が有効であった。
帯広畜産大学の論文
1974-09-25

バレイショ生でんぷん粕の飼料価値と貯蔵中の品質変化

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク