幼齢牛の日齢進行に伴う飼料構成の変化と窒素代謝の関係

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1.幼齢牛の蛋白質利用能力の発達について基礎的な知見をうるため,幼齢牛で一連の窒素出納試験および第1胃内性状の検索を並行して行い,日齢の進行に伴う飼料構成の変化が窒素代謝におよぼす影響を検討した。2.供試牛としてはホルスタイン種雄子牛を窒素出納試験用と第一胃内性状検索用にそれぞれ4頭を用い,15日齢より94日齢まで飼養し,さらにホルスタイン種雄若齢牛2頭(7ヵ月齢および15ヵ月齢)を窒素出納およびルーメン内性状の検索に供試し,幼齢牛と対比検討した。3.窒素出納試験用子牛とルーメン内性状検索用子牛各4頭から,それぞれ2頭ずつを5週齢離乳群および8週齢離乳群とし,試験期を第I期(15〜24日齢),第II期(25〜34日齢),第III期(45〜54日齢),第IV期(65〜74日齢)および第V期(85〜94日齢)に分けた。4,窒素消化率,窒素蓄積率およびルーメン内容液のNH_3-N濃度,VFA総濃度,VFAモル比,pHについてそれぞれの日齢による変化を調べた。5.窒素消化率では,5週齢および8週齢離乳群いずれもI期が最も高く離乳後に著しく低下したが,IV〜V期に至って低下の傾向はみられなかった。6.窒素蓄積率では,離乳時期にかかわらずI期が著しく低くその後上昇したが,IV〜V期の上昇は小さかった。7.ルーメン内のNH_3-N濃度では,採食3時間後の変化は幼齢牛において低下し,若齢牛では上昇する傾向があった。幼齢牛におけるNH_3-N濃度は日齢進行に伴って明らかに低下した。8.ルーメン内のVFA総濃度は,日齢進行に伴い上昇する傾向にあったがIV期(65〜74日齢)に若齢牛の水準に達した。9.第1胃内のpHは,日齢進行に伴い緩慢ではあるが上昇する傾向があり,IV期に若齢牛の水準に達した。10.離乳時期の影響は必ずしも明確でなかったが,早期離乳(5〜8週齢離乳)の子牛において52日齢以降72日齢頃には反芻胃の機能は急激に発達し,質的に安定してきているものと考えられる。
1977-01-17

幼齢牛の日齢進行に伴う飼料構成の変化と窒素代謝の関係

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