妊娠末期における乳牛のガス代謝と血液組成の変化について

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日本飼養標準にしたがい飼養した妊娠末期の乳牛を用いて安静時の熱発生量の推移および血液成分の変化を測定することにより,妊娠の進行にともなうエネルギー摂取量の適否と体脂肪利用の関係について検討した。1)ホルスタイン種若雌牛2頭,経産牛4頭を用いて,分娩前までマスク法により安静時の熱発生量と心肺機能の推移を測定した。2)日本飼養標準にしたがい,乾草2kgは全期間,配合飼料2kgは妊娠末期2ヵ月以降与え,不足養分量はサイレージで満たした。3)妊娠の進行にともなって体重の増加する傾向を示し,全般的に栄養状態は良好で産仔体重も比較的重かった。4)若雌牛の妊娠中期の養分摂取割合は,標準に対して乾物は約80%,DCPは約90%と下まわり,DEは標準量を摂取した。5)全供試牛の妊娠中期の養分摂取割合は,標準に対して乾物は72〜96%と下まわり,DCPは113〜192%と上まわり,DEは95〜119%とほぼ標準量を摂取した。6)メタボリック・ボディ・サイズ当たりの熱発生量は妊娠の進行にともなって増加し末期において著しかった。7)妊娠日数215〜286日間において,妊娠日数(X)と熱発生量(Y,kcal/kg^<3/4>/30分)の関係は次式で示された。Y=0.0099X+0.14 (r=0.560) 8)脈拍は妊娠の進行にともなって増加したが,呼気量,呼吸数は一定の傾向を示さず環境温度の影響をうけた。9)おおよそ標準程度のDE摂取水準にあったとみられる本実験においても,分娩前56日間において正常値の範囲内であるが,血糖は48から41mg/100mlに低下し,またNEFAは211から286μeq/lと上昇し,蓄積体脂肪の流動が推察された。
帯広畜産大学の論文
1977-07-25

妊娠末期における乳牛のガス代謝と血液組成の変化について

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