稲ワラの飼料価値増進に関する研究

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スリランカ国で比較的多量に利用できる稲わらと米糠を主要構成分とする飼料についてその価値を検討するため,コリデール種雄去勢羊4頭を用い,消化試験および窒素出納試験を実施した。実験1では,稲わらをそれぞれ飼料全体の30,40および50%の構成とし,それに脱脂米糠を50,40および30%混合した3種の飼料,ならびに対照飼料してイネ科主体牧乾草50%,米糠30%混合の飼料を調製した。各飼料には廃糖蜜原液19%およびカルシウム添加物1%を加えるとともに,50%稲わら飼料と40%稲わら飼料にはそれぞれ尿素1.4,0.7%を添加した。実験2では,実験1の50%稲わら飼料および40%稲わら飼料を,石灰処理した稲わら50および40%を含む飼料と比較した。その他の成分は実験1と等しくなるように設定した。またVAN SOESTの飼料の繊維分析法が稲わら飼料に適用できるかどうかを検討した。実験1 1.飼料間のエネルギー,有機物,NFE,消化率に有意な差は認められなかった。2.粗蛋白質の消化率は尿素の添加にともない高くなった。3.乾草飼料よりも稲わら飼料の粗脂肪消化率は高かった。4.50%稲わら飼料は30%稲わら飼料よりも粗繊維消化率が有意に高かった。5.蓄積された窒素はほぼ等しかった。6.尿素添加にともない尿中への窒素排泄量が増加した。7.50%稲わら飼料のTDN含量は乾草飼料とほぼ等しかった。実験2 1.石灰稲わら飼料のエネルギー,有機物,粗繊維,CWC,ヘミセルロースそしてADFの消化率が有意に向上した。2.稲わら飼料ではCWC消化率と粗繊維消化率の間には高い相関があり,またCWCとADFの消化率の間にも同様な傾向が認められた。3.飼料間の窒素蓄積量には有意差は見られなかった。4.石灰処理した稲わら飼料は,処理しない飼料よりTDN含量,DEが多かった。以上の実験より,稲わらを主体にした飼料でも,うまく工夫すれば乾草の代わりに使うことができることがわかった。
1977-07-25

稲ワラの飼料価値増進に関する研究

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