好気的変敗の程度が異なるとうもろこしサイレージの飼料価値

概要

論文の詳細を見る
とうもろこしサイレージの飼料価値が好気的変敗によりどの程度低下するかを検討するために,サイロから取り出したサイレージを9,10,11日間屋外に堆積放置し,その飼料価値を取り出し直後のもの(対照)と比較した。消化試験,窒素出納試験はメン羊4頭を用いて実施した。その結果は次のとおりである。1)堆積したサイレージは放置後3〜4日目頃から発熱し始め,9,10,11日間放置したものの品温が30℃を越えた日数は,それぞれ2,4,6日間であった。2)サイレージの化学成分は,変敗によりNFE,WSCが減少し,粗繊維,ADF,NDF,リグニンが増加し,化学的品質では,pHが上昇し,乳酸含量が減少したが,その割合は必ずしも堆積放置日数に対応しなかった。3)すべての成分の消化率において,変敗サイレージと対照との間に統計的有意差はなかった(P>0.05)が,変敗によりNFEの消化率が低下し,粗繊維,ADF,NDFの消化率が高くなる傾向がみられた。4)変敗サイレージの養分含量は対照とあまりかわらなかったが,11日間放置したサイレージにおいて,放置中にDCP,TDN,DEがそれぞれ8.8,9.7,11.9%損失した。5)窒素蓄積率についてみると,変敗サイレージ給与時と対照との間に有意差はなかったが,11日間放置したサイレージを給与した時にかなり低い値を示した。6)第一胃内性状は,変敗サイレージ給与時と対照との間に大きな差はなかった。
帯広畜産大学の論文
1983-11-30

好気的変敗の程度が異なるとうもろこしサイレージの飼料価値

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク