ヒツジのエペリスロゾーン症に関する研究 : とくにE.ovisの人工感染例における臨床,血液および電顕所見について
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概要
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脾摘ヒツジ1頭,非脾摘ヒツジ2頭を用いてEperythrozoon ovisの人工感染後の臨床,血液および電顕所見について検討した。人工感染後の臨床症状は,発熱,可視粘膜の貧血,心悸亢進,呼吸速迫,血色素尿であり,とくに発熱は,末梢血におけるE.ovisの急激な増殖期に認められた。潜伏期間は,重度感染血液の接種例が軽度感染血液の接種例よりも短期間であったが,症状では両者間に差が認められなかった。人工感染により,E.ovisの血中出現と一致して赤血球数,Ht値,Hb量の低下を認め,寄生率のピーク時に貧血は最も高度となった。E.ovisの血中での増加に先立って骨髄での増加が認められた点から,骨髄がE. ovisの主要な増殖部位であろうと考えられた。また脾摘ヒツジでは,非脾摘ヒツジに比べて高度寄生虫血症の持続期間が長期であった。さらに,電顕所見では,E.ovisの赤血球膜への機械的障害を推察させる所見が認められた。
- 帯広畜産大学の論文
- 1985-11-20
著者
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更科 孝夫
帯広畜産大学畜産学部獣医学科
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更科 孝夫
帯広畜産大 畜産
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更科 孝夫
帯広畜産大学畜産学部家畜内科学教室
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一条 茂
帯広畜産大学家畜内科学教室
-
納 敏
帯広畜産大学家畜内科学教室
-
一条 茂
帯広畜産大学獣医学科家畜内科学教室
-
一条 茂
帯広畜産大学家畜病理学教室
-
納 敏
帯広畜産大学畜産学部
-
稲田 一郎
十勝農業共済組合帯広家畜診療所
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稲田 一郎
帯広畜産大学獣医学科家畜内科学教室
-
一条 茂
帯広畜産大学
-
納 敏
帯広畜産大学
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