Strongyloides pavonis感染子虫の凍結保存に関する研究

概要

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Strongyloides属は,その生活環から特異的な進化学的位置を占めるが,継代に多くのコストを要するためStrongyloides pavonis 3期感染子虫(L3)を凍結保存させ,解凍後の生存率及び感染率を算定した。虫体浮遊液としてニワトリ血清及びNCTC-109 mediumを様々な割合で混合し,さらに凍結保護剤としてdimethyl sulphoxide (DMSO)を10%v/v濃度となるように混合した。正常に運動している虫体をGrade 1と分類し,その数を10μ1中の全虫体数で割ったものの5滴分の平均を,その凍結チューブの虫体の活動率として算出した。また,不自然に運動している虫体及びコイル状に屈曲している虫体を生存と見なし,Grade 2とした。生存虫体数(Grade 2の総数)を10μ1中の全虫体数で割ったものの5滴分の平均をその凍結チューブの虫体の生存率とした。いずれの血清の希釈段階においても生存率には有意な差は見られなかったが,解凍時に用いる希釈用食塩水の濃度は,0.9%よりも2%溶液を用いたほうが有意に高い(p<0.01)生存率が得られた。解凍後の感染実験では感染したニワトリ初生雛の個体は得られなかった。
帯広畜産大学の論文
1999-06-30