高齢者の在宅福祉事業情報に対する意識とその関連要因

概要

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本研究は、今後の高齢者在宅福祉事業に関する情報提供についての基礎的な資料を得ることをねらいとして、65歳以上の高齢者を対象に、彼らの在宅福祉事業情報に対する個々人の意識を、情報の蓄積量と情報の収集欲求度でタイプ化し、そのタイプとして表れた意識と個人の属性との関連性を検討することを目的とした。調査対象は、層化多段無作為抽出法により、65歳以上の在宅高齢者2,200名を北海道の5地域から抽出した。有効回答は1,611名(平均年齢は72.8歳)から得られた(性別構成は男性57.5%、女性42.5%)。調査項目は、性別、年齢、教育歴、家族形態、所得、医療機関への受療状況、高齢者在宅福祉事業に関する情報量及び情報収集欲求度とした。統計解析には、X^2検定と残差分析を用いた。その結果、高齢者の在宅福祉事業情報に対する意識には、性、年齢、家族形態、教育歴、所得、医療機関への受療状況といった、個人の属性が関連していることが明らかにされた。このことから高齢者に対する情報提供は、単にマス・コミュニケーションに頼るだけでは不十分であり、個人の属性を基礎とする個別情報提供が必要なことが示唆された。
日本保健福祉学会の論文
1997-10-30