脊髄損傷者における福祉用具の利用形態
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概要
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本研究は脊髄損傷者の福祉用具の利用形態の特徴を明らかにすることを目的とした。札幌市在住の脊髄損傷者100名を対象に, 性, 年齢, 機能障害(頸髄損傷か胸腰髄損傷か), 能力低下(バーセル・インデックス), 福祉用具の利用有無を調査した。40種類の福祉用具のうち, 分析可能な18種類の福祉用具に関する回答をもとに, 数量化III類を行った。その結果, 彼らの福祉用具の利用形態の特徴として, 「能力低下の程度」と「福祉用具がもつ機能の特殊性」によって規定されていることが明らかになった。またクラスター分析の結果, 脊髄損傷者の福祉用具は, 「重度能力低下者の居室用福祉用具」, 「能力低下に応じた多様な動作補完型の福祉用具」, 「軽度能力低下者用の住宅設備に関連した福祉用具」に分類され, それらは前記数量化III類で得られた2つの成分の組み合わせによる利用形態と一致することを明らかにした。以上の結果は, 脊髄損傷者の福祉用具サービス基準の開発において, 能力低下と福祉用具の機能の特殊性が考慮されなければならないことを示唆するものである。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 1997-07-31
著者
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