強誘電体薄膜の半導体基板上への形成とニューロデバイスへの応用

概要

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我々は、将来のニューロコンピュータのハードウエアの基本素子として強誘電体の残留分極を利用したニューロデバイスを提案し、強誘電体薄膜の部分分極反転特性を報告した。我々の提案する適応学習型ニューロデバイスは、強誘電体薄膜をゲート絶縁膜に用いたMISFET(電界効果型トランジスタ)である。適応学習型MISFETでは、ゲートに強誘電体のスイッチング時間より短いパルス入力を印加することにより、強誘電体の分極を徐々に反転させ、FETのオン・オフ、あるいはソース(S)・ドレイン(D)間の抵抗をアナログ的に制御し、その状態を保持することが可能である。この適応学習型MISFETを実現するためには、強誘電体薄膜を直接半導体上に形成する必要がある。しかし、代表的な強誘電体であるPZT(PbZr_xTi_<1-x>O_3)は、PbとSiの反応性が高く、Si基板上への直接形成は困難である。そこで本稿では、ニューロデバイスへの応用を踏まえて、STO(SrTiO_3)をバッファ層に用いてSi基板上へ形成したPZT強誘電体薄膜の結晶性・電気的特性を報告する。次に、PZT以外の強誘電体材料の一つとして、弗化物強誘電体のBaMgF_4のSi基板上への成長と、その電気的特性について報告する。
1995-09-05